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畳の裏返しって何?畳を裏返しする理由とは?

畳は日本の伝統的な床材として、古くから広く使用されています。畳の持つ自然な風合いや心地よい感触は、多くの人々に愛されていますが、その美しさや機能を保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンス方法として畳そのものを交換する方法や畳の表面のござと畳へりを交換する方法などがあります。

その中でも特に簡単でリーズナブルなのが「畳の裏返し」です。本記事では、畳の裏返しにする理由やその効果、当店での具体的な作業工程について詳しく解説します

畳の構造と特性

まず、畳の基本的な構造を理解することが、裏返しの重要性を理解する助けになります。畳は主に以下の三つの部分から構成されています:

  1. 畳表(たたみおもて): 畳の表面部分で、い草を専用織機で編んで作られています。この部分は直接肌に触れるため、最も消耗しやすいです。畳おもて
  2. 畳床(たたみどこ): 畳の中身であり、藁、木質ボードと発泡スチロールなどで構成されています。畳のクッション性や断熱性、吸湿性、防音性などを提供します。藁の畳床です
  3. 畳縁(たたみべり): 畳の周囲を縁取る布で、畳の耐久性を高める役割を果たします。畳のへり

畳の裏返しとは?

畳の裏返しとは、畳を外してそのままひっくり返す事ではありません。畳の裏返し作業とは傷んだ畳縁と傷んだ表面の畳表を畳床から包丁などで剥がし、新しい畳へりと既存の畳表を裏表ひっくり返して再び畳床に縫い付ける作業です。新しく交換になるのは畳縁だけで畳表と畳床は既存のものを使用します。そのため畳表も新しい畳表より褪めた緑色でシミがある場合はそのままシミが残る事が多いです。畳床の柔らかさや凹み等も補修はしますが大きく改善する事はありません。

  1. 畳縁を畳表からきれいに剥がします畳作業で畳おもてから畳へりを刃物で切り離します
  2. 畳表を畳床から剥がします畳おもてをひっくり返します
  3. 畳表をひっくり返します これに畳縁をつけて完成です畳おもてをひっくり返して畳床に縫い付けます

畳を裏返しにる理由

1. 均等な摩耗を促進

畳の表面は日常の使用によって摩耗します。特に、人が頻繁に通る場所や家具の下など、特定の部分だけが摩耗しやすいです。裏返し作業では摩耗箇所も逆の場所になるため、畳の寿命を延ばすことができます。

2. 畳の美観を保つ

畳の表面の畳表は天然素材のいぐさが使用されていて、初めはさわやかな緑色から日光による日焼けや、飲食などによるシミ、ペットによる粗相、湿気によるカビの発生が原因で汚れが付着し、だんだんと黄金色になり、茶色に変化していきます。畳の裏返し作業をすることで、新しい畳縁への交換でお部屋のイメージチェンジ、新しい畳表には及びませんがきれいな畳表の裏面での美観の向上、貴重な天然素材資源の畳表のフル活用、リーズナブルにお部屋のリフォームができ、和室部屋全体の美観も向上します。

3. 畳の衛生状態の改善

畳の裏面には普段目に見えない汚れや湿気が溜まりやすいです。裏返しを行う際に、裏面の掃除や乾燥を行うことで、カビやダニの発生を防ぎ、衛生状態を改善することができます。床板の状態の確認も同時にできるため、5年~7年での畳の裏返しは家全体の保守のためにもとても大事な作業です。

4. 畳のメンテナンス費用の節約

畳の裏返しは、前回の畳表替え、畳の新調から5年~7年ほどで行うのが一般的です。費用は畳の表替えや畳の新調と比べて畳縁だけ新しくし他は既存の部材をそのまま使用するため費用を抑えることができます。定期的に裏返しを行うことで、畳の寿命を延ばし、床下の点検、シロアリ被害の有無、結果としてメンテナンス費用を節約することができます。

畳の裏返しの頻度

畳の裏返しの頻度は、使用状況や環境によって異なりますが、一般的には前回の畳替えから5年から7年が目安とされています。特に、以下の条件に当てはまる場合は、頻繁な裏返しが推奨されます:

  1. 高湿度の地域: 湿気が多い環境では、カビやダニの発生を防ぐために、定期的な裏返しが必要です。
  2. 頻繁に使用される部屋: リビングルームや寝室など、頻繁に使用される部屋では、畳の摩耗が早く進行します。
  3. ペットを飼っている家庭: ペットの毛や汚れが畳に付着しやすく、衛生状態を保つために裏返しが必要です。

畳の裏返しに関する注意点

畳の裏返し作業の際には、以下の点に注意することが重要です:畳表替えと裏返しと元の畳比較です

  1. 10年以内がおすすめ: 畳表の裏面を使用するため、10年以上経ってしまうと、色が褪せてしまって裏返してもきれいになりにくいです。
  2. シミがでることがあります: 飲食でのシミやペットの粗相などは裏返しでシミが目立つことがあります。表面からわかりますか?裏面はこんな状態の場合もあります
  3. いぐさの香りはしません: 現在の畳表をそのままひっくり返して使用するため、いぐさの香りはほぼしません。
  4. 裏返しができない場合があります: 現在の畳表をそのままひっくり返して使用するため、お部屋に柱の角があったり、穴が空いていたり、変形畳の場合は裏返し作業はできません。

まとめ

畳を裏返しにすることは、畳の寿命を延ばし、美しさや機能を保つために非常に重要なメンテナンス作業です。均等な摩耗を促進し、美観を保ち、衛生状態を改善する効果があります。また、畳の柔軟性を維持し、家全体の点検も兼ねるため、長期的なメンテナンス費用の節約にも繋がります。定期的な裏返しを行うことで、気持ちいい生活快適で健康的な生活を維持することができます。

畳を長持ちさせるためには、日常的な掃除や湿度管理、そして定期的な畳工事が欠かせません。これらの対策を実施することで、畳の上での生活をより快適に、そして安全に楽しむことができるでしょう。

以上で記事を終わります。畳の裏返しについての理解が深まり、実際の生活に役立つ情報となれば幸いです。ご質問や追加のご要望がありましたら、どうぞお知らせください。